2025年7月11日金曜日

【2025年最新版】「療養選定費」を知らないと損!大病院を受診する前に確認すべきポイント

近年、病院の受付やニュースなどで「療養選定費(りょうようせんていひ)」という言葉を目にする機会が増えました。
特に200床以上の大病院を紹介状なしで受診する場合は、避けて通れない費用となっています。

この記事では、2025年度(令和7年度)最新の制度・料金情報をもとに、「療養選定費」についてわかりやすく解説します。


療養選定費とは?【制度の基本】

「療養選定費」とは、紹介状なしで大病院(200床以上)を初診・再診する場合に発生する追加料金のことです。

この制度は2016年4月に導入され、以降の診療報酬改定で金額や対象条件が段階的に拡大されています。

制度の目的:

  • 地域のクリニックで初期診療 → 大病院では専門治療、という「医療の機能分化」を促進

  • 医療費全体の適正化(不要な大病院利用の抑制)

  • 大病院の混雑緩和と、高度医療への集中化


どんなときに「療養選定費」がかかる?

以下のケースでは、療養選定費が発生します。

ケース内容
初診時紹介状なしで200床以上の病院を受診した場合
再診時初診から引き続き紹介状なしで通院する場合

※ただし以下の場合は免除されます:

  • 救急車での搬送

  • 緊急手術や急病

  • 妊婦健診や災害対応など


【2025年版】療養選定費の金額はいくら?

2025年度も療養選定費は引き上げ傾向が続いています。

■ 厚生労働省が定める「最低額(2025年)」

区分最低額(税込)
初診(医科)7,000円以上
初診(歯科)5,000円以上
再診3,000円以上

※実際の金額は病院によって異なり、
例)初診で11,000円、再診で4,400円 なども一般的です。

💡 金額は各病院の公式Webサイトまたは電話で事前確認するのが確実です。


「療養選定費」はなぜ必要なの?

この費用には、次のような背景があります。

  • 高度な医療資源を適正に運用するため

  • 不必要な大病院受診を抑えるため

  • 患者の待ち時間短縮と医療の効率化のため


「支払わないと受診できないの?」という疑問に答えます

はい、療養選定費は法令で定められた必須の費用です。

未払いの場合、診療を断られることもあり、継続的な通院や入院ができなくなる可能性があります。
つまり、「支払わない=受診不可」となるケースもあるため注意が必要です。


療養選定費を節約するコツ

以下のステップを踏むことで、数千円〜1万円以上の出費を防ぐことが可能です。

✅ 節約のポイント:

  • まずは地域のクリニックやかかりつけ医に相談

  • 必要と判断された場合に紹介状を書いてもらう

  • 再診時も紹介状の有無を確認してから受診

紹介状があるだけで、療養選定費が免除されるケースがほとんど。ぜひ活用しましょう。


【まとめ】大病院は“紹介状持参”が新常識!

2025年度も、療養選定費の役割と重要性は増しています。
「とりあえず大きな病院へ」は、もはやコストの面でも非効率な時代です。

🔹ポイントのおさらい:

  • 療養選定費は法的に義務付けられた費用

  • 初診・再診ともに紹介状なしで数千円の自己負担

  • 紹介状をもらえば節約可能

事前のひと手間で、大きな医療費の差が生まれます。
無駄な出費を防ぎ、スムーズな受診を心がけましょう。


医療現場から学んだ知識:3か月未満の乳児の発熱管理について

 こんにちは、看護師のニシユウです。今回は私がクリニック勤務を通して学んだ、小児医療に関する重要な知識をお伝えします。

急性期から慢性期、そしてクリニックへ

私はキャリアの始まりとして145床ほどのケアミックス型病院で勤務し、慢性期・回復期病棟、介護老人保健施設での経験を積みました。その後、現在の一次救急を専門とするクリニックに転職しました。ここでは小児から高齢者まで幅広い患者さんが来院されます。

入職当初は小児対応の経験がなく苦労しましたが、日々の臨床を通して多くを学びました。特に印象的だったのが「3か月未満の乳児の発熱管理」についてです。


3か月未満の乳児の発熱:なぜ重要視されるのか

臨床現場で特に注意すべき点として、3か月未満の乳児が38℃以上の発熱を呈した場合、原則入院適応となるという事実があります。看護基礎教育では「3か月未満は母体からの免疫があるため感染症にかかりにくい」と学びますが、この時期の乳児の発熱は逆に重篤な状態を示唆することがあります。

最新の小児科診療ガイドラインによると、3か月未満の乳児は:

  1. 母体由来の免疫グロブリン(主にIgG)が残存している一方で、自己の免疫系はまだ未発達
  2. 発熱があることは、その限られた防御機能を超える侵襲が生じている可能性を示唆
  3. 髄膜炎や菌血症などの重篤な細菌感染症のリスクが他の年齢層より高い

そのため、原因不明の発熱があった場合は、精査と厳重な観察を目的として入院管理が必要とされています。


コロナ禍での変化

COVID-19パンデミック期間中、この原則にも変化が見られました。3か月未満の乳児がCOVID-19陽性と診断された場合、病因が特定されているため、患児の全身状態が良好であれば自宅療養が指示されることもありました。

これは医療リソースの配分という側面もありますが、感染症の原因が判明していることで、未知の重篤感染症のリスク評価が変わるためです。ただし、最新の小児科学会のガイドラインでは、特に新生児や早期乳児のCOVID-19感染については慎重な対応が推奨されています。


医療知識の格差と患者教育の重要性

この「3か月未満の発熱は要注意」という知識は、驚くことに経験豊富な保護者でも知らないことが多いです。医療者と一般の方々の間には、疾患に関する知識に大きな差があります。

インターネットで容易に情報を得られる時代ですが、信頼性の高い医療情報を選別することは難しいのが現状です。そのため、私たち医療者が実際の経験や科学的根拠に基づいた情報を分かりやすく伝えることが重要だと感じています。

今後も臨床で得た知見や最新のエビデンスに基づいた情報を、このブログを通してお伝えしていければと思います。次回もどうぞお楽しみに。


2025年7月8日火曜日

聞きなれない病気「尿毒症」

 皆様、こんにちは。看護師のニシユウです。 このブログでは、私の趣味や医療について書いていきます。医療については、季節に関連する疾患から、私がこれまであまり経験したことがない疾患の症状や予後についてもお伝えしていきます。もちろん、患者さんの個人情報には十分配慮して記載します。

印象的だった尿毒症の症例

今回は、私がクリニックで出会った、あまり経験したことのない疾患についてご紹介します。

ある患者さんは、2~3週間続く嘔吐を主訴に来院されました。かかりつけ医には既に2回受診し、ピロリ菌感染が見つかったため除菌治療が行われていましたが、制吐剤の処方はなく症状が改善しないため当院を受診されたとのことでした。

来院時から持続的な嘔気を訴えており、非常に苦しそうな様子でした。担当医師は当初、心因性の可能性も考慮していましたが、念のため血液検査を実施したところ、腎機能に明らかな異常が認められました。BUN(尿素窒素)72mg/dL、CRE(クレアチニン)7.25mg/dL(一般的な正常値はBUN: 8-20mg/dL、CRE: 男性0.6-1.1mg/dL、女性0.4-0.8mg/dL程度)と著しい高値を示し、重度の腎障害が疑われました。そのため早急な精密検査が必要と判断し、総合病院へ紹介となりました。


診断結果:尿毒症と薬剤性間質性腎炎の疑い

後日、紹介先からの返書を確認したところ、診断名は「尿毒症」および「薬剤性間質性腎炎疑い」となっていました。詳細な検査結果はまだ届いていませんが、腎炎によって腎機能が急速に低下し、尿毒症を発症したものと考えられます。


考えられる原因

この患者さんは糖尿病の既往があり、その治療薬に加えてシクロスポリンカプセルも服用されていました。シクロスポリンは免疫抑制剤で、主に臓器移植後の拒絶反応予防や自己免疫疾患の治療に使用されますが、重症アトピー性皮膚炎にも適応があります。この患者さんもアトピー性皮膚炎があり、そのために処方されていたようです。

医学文献によれば、シクロスポリンは薬剤性間質性腎炎を引き起こす可能性のある薬剤の一つとして知られています。しかし、担当医師も「これが原因かもしれないが、詳細な検査なしでは断定できない」と述べており、現時点では可能性の一つとして考慮されている段階です。


特徴的な症状:皮膚の色素沈着

尿毒症の特徴的な症状として、皮膚の色素沈着があります。腎機能低下により尿素などの老廃物が体内に蓄積されることで、皮膚が黒ずむことがあります。この患者さんの場合、単なる日焼けとは明らかに異なる特徴的な黒色化が見られました。興味深いことに、ご家族はこの皮膚の変化に気づいていなかったとのことで、おそらく徐々に進行したためと思われます。


尿毒症について正しく理解する

尿毒症とは、腎臓の働きが極度に低下して起こる全身の変化を指します。急性あるいは慢性の腎臓障害が進行し、腎機能が正常の10分の1程度まで著しく低下した末期腎不全の状態です。適切な治療を行わなければ生命に関わる深刻な状態となります。

一般的に尿毒症は慢性腎不全の末期に見られることが多いですが、今回のケースのように急性の腎炎でも発症することがあります。この点は私自身も再認識させられました。


医療者としての学び

尿毒症を引き起こす原因として慢性腎不全を主に想定していましたが、急性の間質性腎炎でも発症しうることを実例を通して学びました。また、薬剤性間質性腎炎を引き起こす可能性のある薬剤としてシクロスポリンが含まれていることも、今後の臨床で注意すべき知識として心に留めておきたいと思います。

私たち医療者は、患者さんの症状を多角的に観察し、背景にある病態を見逃さないよう常に注意を払う必要があると改めて感じた症例でした。

※医薬品の副作用については個人差があり、同じ薬でも全ての方に同様の反応が起こるわけではありません。気になる症状がある場合は、自己判断せず必ず医療機関にご相談ください。

[^1] Naesens M, et al. "Calcineurin inhibitor nephrotoxicity." Clin J Am Soc Nephrol. 2009.
[^2] 日本腎臓学会「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン」
[^3] Uremic pruritus and pigmentation. Clin Exp Dermatol. 2018.


小児多系統炎症性症候群(MIS-C):保護者のための安心ガイド

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