日本でもアウトドア好きや、本格4WD・個性的なモビリティを求めるドライバーから注目を集めているのが、三菱のピックアップトラック「トライトン(TRITON)」です。
2026年モデルでは乗り心地やハンドリング性能にも改良が加えられ、日本仕様はGSRの1グレードに集約されました。
全長5,360mm、全幅1,930mmという日本ではかなり大柄なボディと、力強いフロントフェイスは街中でもキャンプ場でも抜群の存在感があります。
ただ、ピックアップトラックを検討すると、
- 「トラックだから、荷台が空だと跳ねて乗り心地が悪い?」
- 「キャンプや車中泊、ファミリーカーとして使える?」
- 「1ナンバーだと車検や高速道路料金はどうなる?」
- 「2026年に登場した新型ハイラックスとは何が違う?」
といった疑問も出てきます。
そこで今回は、2026年8月時点の現行トライトンGSRを基準に、乗り心地、荷台の実用性、1ナンバーの維持費、新型ハイラックスやデリカD:5との違いまで紹介します。
※画像は三菱トライトンをイメージしてAIで生成したものです。実際の車両の仕様・装備・外観とは異なる場合があります。
※情報について
本記事は2026年8月21日時点の三菱自動車、国土交通省、NEXCO等の公表情報をもとにしています。税額・保険料・高速道路料金・車検費用等は制度改正や利用条件によって変わる場合があります。
【一目でわかる】2026年 三菱トライトンGSRの基本スペック
| 項目 | トライトン GSR |
|---|---|
| 価格 | 5,518,700円(税込) |
| ボディサイズ | 全長5,360 × 全幅1,930 × 全高1,815mm |
| ホイールベース | 3,130mm |
| エンジン | 2.4L 直列4気筒クリーンディーゼルターボ(4N16) |
| 最高出力 | 204PS(150kW)/3,500rpm |
| 最大トルク | 470N・m(47.9kgf・m)/1,500〜2,750rpm |
| トランスミッション | 6速スポーツモードAT |
| 4WDシステム | スーパーセレクト4WD-II |
| ドライブモード | 7モード |
| 車両重量 | 2,120kg |
| 最大積載量 | 500kg |
| 燃費 | WLTCモード 11.3km/L |
| 燃料タンク | 75L |
| 乗車定員 | 5名 |
なお、三菱はトライトンを「1トンピックアップトラック」と呼んでいますが、日本仕様GSRの最大積載量は500kgです。「1トン積める」という意味ではない点には注意しましょう。
1. 2026年モデルでさらに改善された乗り心地とハンドリング
ピックアップトラックは大量の荷物を積むことを想定しているため、リヤにリーフスプリングを採用する車種が多く、荷台が空の状態では乗用SUVより硬さや揺れを感じることがあります。
トライトンもフロントにダブルウィッシュボーン、リヤにリーフスプリングを採用していますが、現行モデルでは快適性と操縦安定性にもかなり力が入れられています。
① 2026年モデルはパフォーマンスダンパーを採用
2026年の改良では、ヤマハ発動機製「パフォーマンスダンパー」をフレーム前後に装着。
さらに、フロントサスペンション、ボディマウント、前後ショックアブソーバーの設定も見直され、段差通過時の上下動や細かな振動を抑えながら、ハンドリング性能の向上も図られています。
ただし、構造そのものはラダーフレーム+リヤリーフスプリングのピックアップトラックです。
「SUVとまったく同じ乗り心地」ではなく、「ピックアップとして快適性をかなり高めたモデル」と考える方が実態に近いでしょう。
② 舗装路でも使えるスーパーセレクト4WD-II
トライトンの大きな特徴が、三菱独自の「スーパーセレクト4WD-II」です。
2H、4H、4HLc、4LLcを選択でき、特に4Hはセンターデフを使ったフルタイム4WDとして、一般道路や高速道路でも使用できます。
一方、燃費を重視した通常走行では後輪駆動の2Hも選択可能です。
③ 7つのドライブモード+AYC
路面状況に応じて、NORMAL、ECO、GRAVEL、SNOW、MUD、SAND、ROCKの7種類のドライブモードを用意。
さらにAYC(アクティブヨーコントロール)が左右輪間の駆動・制動力を制御し、滑りやすい路面などで旋回性能と走行安定性をサポートします。
AYCは三菱を代表する技術のひとつですが、現行トライトンにはトライトン向けに開発された制御が採用されています。
2. 荷台を使い倒せる!キャンプ・アウトドアでの実用性
トライトン最大の魅力のひとつが、キャビンから完全に独立したオープンタイプの荷台です。
荷台は最大で長さ1,470mm×幅1,525mm、最大積載量500kg。
① 泥や水に強い「車外の荷室」
キャンプ用品、濡れたテントやタープ、薪、大型クーラーボックス、釣り道具などを客室とは分離して積めるのは、SUVやミニバンにはない大きな魅力です。
マウンテンバイクなど大型アウトドア用品との相性も抜群です。
一方で荷台はオープンなので、雨・盗難対策を考えるならトノカバーやキャノピーなども検討したいところです。
② オートバイを積む場合は荷台長に注意
最大積載量は500kgあるため重量面では多くのオートバイに対応できますが、荷台長は1,470mmしかありません。
一般的なオートバイは全長2m前後あるため、実際に積載する場合はテールゲートの扱い、固定方法、積載物のはみ出し、車両側・ラダー側の耐荷重などを確認する必要があります。
単純に「何でも積めるトランポ」と考えるのではなく、積載する車両に合わせて事前確認した方が安全です。
③ ルーフトップテントやオーバーランド仕様も楽しめる
荷台へ専用ラックを設置してルーフトップテント(RTT)を組み合わせれば、トライトンらしいオーバーランドスタイルを楽しむこともできます。
ポータブル電源、冷蔵庫、照明などを組み合わせれば、キャンプスタイルの自由度はさらに高まります。
ただしRTTやラックを装着すると重量・重心・車高が変わります。製品ごとの静止耐荷重・走行時耐荷重、車両の積載量、固定方法、全高などを必ず確認してください。
3. ファミリーカーとしてトライトンは使える?
トライトンは5人乗りのダブルキャブで、後席も備えているため家族で乗ること自体は十分可能です。
衝突被害軽減ブレーキ、レーダークルーズコントロール、後側方車両検知警報、マルチアラウンドモニターなどの運転支援・安全装備も備えています。
ただしファミリーカーとして考える場合、ミニバンや一般的なSUVとは違う注意点があります。
- 全長5,360mm・全幅1,930mmと非常に大きい
- 最小回転半径は6.2m
- 乗車定員は5名
- 荷物は基本的に車外のオープンベッドへ積む
- 室内をフルフラットにして寝るような使い方には向かない
そのため、日常の送迎や買い物中心なら購入前に自宅駐車場やよく利用する店舗の駐車環境を確認しておくことをおすすめします。
4. 1ナンバーの維持費|自動車税は安いが注意点もある
トライトンは普通貨物自動車の1ナンバーとして登録されます。
① 自動車税は年間16,000円
トライトンは最大積載量1トン以下、乗車定員4人以上、総排気量1.5L超の貨客兼用車に該当するため、標準的な自家用の自動車税は年間16,000円です。
参考として、2019年10月以降に新規登録された排気量2.0L超〜2.5L以下の自家用乗用車は通常43,500円。
税率だけを比較すれば、年間27,500円の差になります。
ただし「1ナンバーだから維持費全体が安い」とは限りません。
② 車検は新車初回2年、その後は毎年
車両総重量8トン未満の貨物自動車は、車検証の有効期間が新車初回2年、その後は1年です。
一般的な自家用乗用車の「新車3年、その後2年」と比べると、車検を受ける頻度は高くなります。
また、自家用の車両総重量8トン未満の貨物自動車には6か月・12か月の法定定期点検も設定されています。
車検と定期点検は別の制度なので、1ナンバー車を所有する場合はメンテナンススケジュールも確認しておきましょう。
③ 高速道路は「中型車」料金
NEXCOの高速道路では、1ナンバーの普通貨物自動車は原則として中型車に分類されます。
高速自動車国道の車種間比率は、普通車を1.0とした場合、中型車は1.2です。
そのため普通車より高速料金が高くなる点は、長距離旅行を多くする人ほど確認しておきたいポイントです。
④ ETC休日割引は対象外
NEXCOの休日割引は「軽自動車等」と「普通車」が対象で、中型車となるトライトンは対象外です。
高速道路を利用したキャンプや長距離旅行が多い人にとっては、自動車税の安さだけではなく、高速料金まで含めて維持費を考える必要があります。
⑤ 「自動車税16,000円」だけで維持費を判断しない
実際の年間維持費には、自動車税だけでなく、
- 自動車重量税
- 自賠責保険
- 任意保険
- 毎年の車検・整備費用
- 軽油代
- タイヤなどの消耗品
- 高速道路料金
などが加わります。
特に265/60R18という大径タイヤを履くため、タイヤ交換費用も一般的な乗用車より高くなりやすい点は覚えておきたいところです。
5. 2026年新型ハイラックスとの違い
2026年5月、最大のライバルであるトヨタ・ハイラックスもフルモデルチェンジしました。
| 項目 | トライトン GSR | 新型ハイラックス |
|---|---|---|
| エンジン | 2.4Lディーゼル | 2.8Lディーゼル |
| 最高出力 | 204PS | 204PS |
| 最大トルク | 470N・m | 500N・m |
| 全長 | 5,360mm | 5,325mm |
| 全幅 | 1,930mm | 1,885mm |
| 最大積載量 | 500kg | 500kg |
| 4WD | スーパーセレクト4WD-II | パートタイム4WD |
| 価格 | 5,518,700円 | 4,980,800〜5,500,000円 |
特に大きな違いは4WDシステムです。
ハイラックスは本格的なパートタイム4WDを採用しているのに対し、トライトンは2Hに加えて、乾燥舗装路でも使用できる4Hフルタイム4WDを選択できます。
一方、新型ハイラックスは2.8Lディーゼルから500N・mを発揮し、ボディ幅もトライトンより45mm狭く抑えられています。
2026年モデル同士では両車とも乗り心地や操縦安定性を大幅に進化させているため、「どちらの後席が圧倒的に快適」と断定するより、実際に家族を乗せて試乗比較することをおすすめします。
6. デリカD:5とトライトン、どちらを選ぶ?
同じ三菱でも、デリカD:5とはかなり方向性が違います。
デリカD:5が向いている人は、多人数で移動したい、室内に荷物を積みたい、車内を使った車中泊をしたいといったファミリー中心の用途です。
一方でトライトンが向いている人は、キャンプ・釣り・自転車など汚れや水濡れを伴う趣味を楽しみたい人や、本格的な4WDシステム、ピックアップならではのスタイルを楽しみたい人です。
「家族のためのアウトドアカー」ならデリカD:5、
「アウトドアそのものを趣味として楽しむための相棒」ならトライトン。
この違いで考えると選びやすいでしょう。
まとめ|トライトンは「安いトラック」ではなく趣味を広げる本格ピックアップ
2026年型三菱トライトンは、ピックアップトラック本来のタフさと積載性を維持しながら、乗り心地、操縦安定性、安全装備を大きく進化させたモデルです。
- 204PS・470N・mの2.4Lディーゼル
- 舗装路でも4WDを使えるスーパーセレクト4WD-II
- 2026年モデルではパフォーマンスダンパーを追加
- 最大積載量500kgの独立した荷台
- 自動車税は年間16,000円
- 一方で車検は初回2年・以降毎年、高速道路は中型車扱い
つまりトライトンは、単純に「1ナンバーだから税金が安いクルマ」ではありません。
毎年の車検、高速道路料金、大きなボディサイズなどのデメリットを理解したうえで、それ以上に「キャンプやアウトドアで荷台を自由に使えること」「本格4WDを楽しめること」「ピックアップというスタイルそのもの」に魅力を感じる人に向いているクルマです。
「荷物を積んで、舗装路の先まで遊びに行きたい」。
そんな人にとって、トライトンは日本車では数少ない、非常に個性的な選択肢といえるでしょう。
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