健康診断で「要再検査・要精密検査」になったら?何科を受診するか、費用・持ち物まで看護師が解説

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※画像は、健康診断の結果を確認し、再検査や精密検査の受診を検討する場面をイメージしてAIで作成したものです。画像内の書類や数値は実際の健診結果を示すものではありません。

※本記事は2026年9月時点の厚生労働省、全国健康保険協会(協会けんぽ)、日本人間ドック・予防医療学会、日本消化器内視鏡学会、日本腎臓学会、日本高血圧学会等の公開情報をもとに作成しています。健診の判定区分や受診時期、必要な検査は、数値・所見・既往歴・健診機関によって異なります。結果票に記載された指示を優先し、不明な場合は健診機関または受診予定の医療機関へご確認ください。

こんにちは、看護師のニシユウです。

春から夏にかけて職場の定期健康診断や特定健診を受けた方のもとに、結果票が届く時期になりました。封筒を開けて、「要再検査」「要精密検査」「要治療」という文字にドキッとした経験はありませんか?

外来の現場では、次のような声を耳にします。

  • 「自覚症状がないから、来年の健診まで様子を見ようと思った」
  • 「どこの病院の何科に行けばよいのか分からず、そのままになった」
  • 「再検査に健康保険は使えるの?費用が心配」

二次検査の受診状況は、健診の種類や検査項目、地域などによって異なります。厚生労働省は第4期がん対策推進基本計画で、がん検診の精密検査受診率90%を目標としており、未受診者の把握や受診勧奨を進めています。すべての健診を一括して「3〜4割が未受診」とは言えませんが、必要な精密検査につながっていない方がいることは課題です。

高血圧、糖尿病、慢性腎臓病など、健診で見つかる病気の中には、初期には症状がほとんどないものがあります。ただし、異常値が出たことだけで病気が確定するわけではありません。大切なのは、結果票の指示に沿って確認し、治療が必要かどうかを医師に判断してもらうことです。

今回は、看護師の視点から、「要再検査」と「要精密検査」の違い放置したくない代表的な検査項目、そして受診する診療科・費用・持ち物・受診前の注意を分かりやすく解説します。


1. 「要再検査」と「要精密検査」は何が違う?

まず知っておきたいのは、判定区分の名称や基準は、健診機関や検査項目によって異なるということです。「要治療」と「要精密検査」をまとめて表示する方式もあり、判定名だけで重症度を単純比較することはできません。

判定区分 一般的な意味 次に取る行動
要再検査 一時的な変動か、異常が続いているかを確認するため、同じ検査または関連する検査を改めて行う判定です。 結果票に書かれた受診時期に従います。「1〜2か月以内」とは限らないため、時期の記載がなければ健診機関または医療機関へ確認しましょう。
要精密検査 異常の原因や病気の有無を詳しく調べるため、追加検査や専門的な検査が必要と判断された状態です。 自覚症状がなくても、結果票で指定された時期を目安に受診します。便潜血陽性に対する大腸内視鏡など、同じ検査の繰り返しでは代用できない場合があります。
要治療・要医療 医療機関を受診し、治療の必要性を含めて医師の評価を受ける必要がある判定です。 放置せず、結果票で指定された時期に受診してください。実際に治療を始めるか、どの治療を行うかは、再評価後に医師が判断します。
要経過観察・生活改善 現時点で直ちに精密検査や治療が必要とは限りませんが、生活習慣の見直しや一定期間後の確認が必要な状態です。 「次回の健診まで」とは限りません。3か月後・6か月後など、結果票の指示に従って再確認します。

大切なポイント:判定名だけで自己判断せず、結果票の「受診時期」「紹介先」「医師コメント」を確認してください。強い症状がある場合は、健診の判定や予約日を待たずに受診します。


2. 無症状でも確認したい代表的な検査項目

健診で異常が見つかっても、すぐに重い病気と決まるわけではありません。一方、症状がないことも安全の証明にはなりません。代表的な項目と注意点を整理します。

① 便潜血陽性(大腸がん検診)

「2回提出して1回だけ陽性だった」「痔があるから」と自己判断して、精密検査を見送らないことが大切です。

  • 確認したいこと:2日法のうち1回でも陽性なら、大腸内視鏡検査が強く推奨されます。大腸の病変からの出血は毎回起こるとは限らず、便潜血検査をもう一度行って陰性でも、最初の陽性を打ち消すことはできません。
  • 注意点:陽性でも、必ず大腸がんという意味ではありません。痔、ポリープ、炎症などでも陽性になります。原因を確認するために消化器内科・胃腸科へ相談しましょう。

② 血糖値・HbA1c(糖尿病)

糖尿病予備群や初期の糖尿病では、自覚症状がないことが少なくありません。

  • 確認したいこと:高血糖が続くと、神経障害、網膜症、腎症のほか、脳卒中や虚血性心疾患などのリスクが高まります。
  • 注意点:異常値が出ても、全員が合併症へ「確実に進行する」わけではありません。採血条件、貧血、腎機能、薬剤などが結果に影響する場合もあるため、医療機関で再評価を受け、必要に応じて生活改善や治療につなげます。

③ 血圧(高血圧)

高血圧は症状がないことが多く、頭痛や肩こりの有無だけでは判断できません。

  • 確認したいこと:高血圧が続くと、脳卒中、心筋梗塞、心不全、慢性腎臓病などのリスクが高まります。
  • 注意点:健診会場で1回血圧が高かっただけでは、高血圧症と確定しません。家庭血圧や診察室での反復測定をもとに医師が判断します。家庭で測る場合は、測定値と日時を記録して持参すると役立ちます。

④ 尿蛋白・尿潜血・クレアチニン・eGFR(腎臓・尿路)

慢性腎臓病(CKD)は進行するまで症状が出にくいため、尿検査と血液検査が早期発見に役立ちます。

  • 確認したいこと:尿蛋白や腎機能低下が続くと、腎不全だけでなく心血管疾患のリスクも高まります。原因や重症度に応じた血圧・血糖管理、薬物療法、食事調整などにより、進行を遅らせられる可能性があります。
  • 注意点:脱水、発熱、激しい運動、月経などで一時的に検査値が変化する場合があります。また、尿潜血は腎臓以外に尿管・膀胱などの病気でも起こります。自己判断せず、内科、腎臓内科、泌尿器科などへ相談してください。

3. 何科へ行く?受診先の選び方

Q1. どこの病院の「何科」に行けばいい?

  • 血圧、血糖、脂質、肝機能、尿酸など:まずは、かかりつけ医または一般内科・総合診療科へ相談できます。
  • 便潜血陽性、胃部X線・胃内視鏡の異常:消化器内科・胃腸科
  • 胸部X線の異常:呼吸器内科。所見によっては健診機関が別の診療科を案内する場合があります。
  • 心電図の異常:循環器内科
  • 尿蛋白・腎機能低下:一般内科・腎臓内科
  • 尿潜血:一般内科・腎臓内科・泌尿器科。性別、年齢、尿蛋白の有無などで受診先が変わります。
  • 眼底・眼圧の異常:眼科
  • 乳房検査の異常:乳腺外科・乳腺科
  • 子宮頸部細胞診の異常:婦人科

結果票に受診先が指定されている場合は、その案内を優先してください。迷う場合は、健診機関、かかりつけ医、受診予定の医療機関へ電話で確認すると確実です。

Q2. 再検査や精密検査に健康保険は使える?

健診で異常を指摘され、医師が診療上必要と判断して行う診察・検査・治療は、一般に保険診療の対象です。ただし、すべての「再検査」が自動的に保険適用になるとは限りません。

  • 本人の希望だけで追加する検査や、人間ドックのオプションとして受ける検査は自費になる場合があります。
  • 職場健診の再検査を事業者負担で実施する場合や、健康保険組合・自治体の補助制度を利用できる場合があります。
  • 窓口負担は、年齢・所得・加入制度・検査内容などで異なります。

費用が心配な場合は、予約時に「健診で異常を指摘されて受診する」ことを伝え、保険適用、概算費用、勤務先や保険者の補助制度を確認しましょう。

Q3. 大きな病院へ直接行ってもいい?

健診機関から受診先を指定されていない場合は、まず地域のクリニックやかかりつけ医に相談する方法が一般的です。ただし、「紹介状なしで200床以上の病院を受診すると、必ず追加費用がかかる」という説明は正確ではありません。

国の制度で「特別の料金」の対象となるのは、特定機能病院、一般病床200床以上の地域医療支援病院、一般病床200床以上の紹介受診重点医療機関などです。医科初診では原則7,000円以上が通常の一部負担金とは別に必要ですが、救急患者などの対象外規定があり、特定健診・がん検診等で精密検査の指示を受けた方は、病院の判断で徴収しないことができる場合もあります。

病院ごとに予約方法や料金の扱いが異なるため、結果票、紹介状の有無、受診理由を伝えて事前に確認してください。


4. 持ち物と受診前の注意

持参するもの 受診時のポイント
健診結果票一式 異常項目だけでなく、ほかの数値や過去との変化も参考になります。原本の持参を求められる場合がありますが、提出後に返却されるか心配な場合は控えを用意しましょう。
紹介状・受診報告書 健診結果に同封されていれば、開封せずに持参します。受診報告書は勤務先などへの提出方法も確認してください。
マイナ保険証または資格確認書 従来の健康保険証は2025年12月1日で有効期限が終了しています。2026年9月時点では、マイナ保険証または資格確認書を使用します。
お薬手帳・服薬内容が分かるもの 処方薬、市販薬、サプリメントの使用状況は、検査結果の解釈や追加検査の安全確認に役立ちます。
家庭での記録 家庭血圧、体重、症状が出た日時などを記録している場合は持参すると役立ちます。

受診前に予約方法と食事・薬の指示を確認しよう

血液検査、腹部超音波検査、内視鏡検査などでは、食事制限や事前準備が必要になることがあります。受診前に医療機関へ連絡し、次を確認すると安心です。

  • 予約や紹介状が必要か
  • 当日に検査まで行う予定か
  • 食事や飲水を控える必要があるか
  • 朝の薬を普段どおり飲んでよいか
  • 持ち物や概算費用

注意:検査があるか分からない段階で、自己判断で絶食したり、糖尿病薬・インスリン・血液を固まりにくくする薬などを中止したりしないでください。必ず医療機関の指示を確認しましょう。


5. 健診の予約日を待たずに受診したい症状

健診結果への対応は通常、結果票の指示に沿って予約受診します。ただし、次のような症状がある場合は、健診の再検査予約を待たずに医療機関へ相談してください。

  • 突然の胸痛、強い息苦しさ、冷汗
  • 顔や手足の片側の麻痺、ろれつが回らない、突然の激しい頭痛
  • 意識がおかしい、けいれんがある
  • 大量の血便、黒いタール状の便、吐血
  • 血圧が著しく高く、胸痛・呼吸困難・神経症状などを伴う
  • 強いだるさ、繰り返す嘔吐、意識の変化などを伴う著しい高血糖が疑われる状態

命に関わる可能性がある症状では、ためらわず119番へ連絡してください。緊急性に迷う場合は、地域で利用できる救急相談窓口(#7119など)もありますが、実施地域や受付時間は自治体によって異なります。


6. まとめ|健診結果は「確認して次の行動につなげる」ことが大切

健康診断は、結果を受け取って終わりではありません。自覚症状が乏しい段階で体の変化に気づき、必要に応じて再検査、精密検査、生活改善、治療につなげるための機会です。

再検査の結果、一時的な変化だったと分かることもあります。病気が見つかった場合も、早い段階で対応することで、重症化を防いだり治療の選択肢を確保したりできる可能性があります。

まずは結果票の判定区分・受診時期・推奨診療科・医師コメントを確認し、分からなければ健診機関または受診予定の医療機関へ問い合わせてみてください。


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